事業目的とは

事業目的とは、会社設立後に行う、また行う予定の事業のことです。

定款には、必ず事業目的を記載しなければなりません。事業目的の数には制限はありません。一般的に4~9つ程度書きます。

事業目的における留意点

具体的に書く

明瞭かつ具体的に表現します。
(例) 販売(×)→食料品の販売(○)、製造(×)→工作機械の製造(○)

設立後すぐに行う事業だけでなく、今後行う予定の事業も記載しておく

許認可や監督官庁への届出が必要になる事業を今後行う予定があれば、その事業名も記載しておいて構いません。
将来、定款に記載されていない事業を行うことになった場合には、定款を変更しなければなりません。定款変更には手数料と手間がかかりますので、前もって記載しておくことをお勧めします。

(例) 寿司の製造(×)→食料品の販売・製造業

違法な事業や、公序良俗に反するような事業は記載できない

(例) 麻薬の販売、賭博(×)

公証役場にてチェックされたときに、事業の目的として一定の条件を満たさないと、
定款が認められず、修正のうえ再提出する羽目になります。

「事業目的は、何を、いくつ、どのように書けばいいのだろう?」

事業目的は、基本的に それほど悩む必要はない項目ですので、まずはご安心ください。

お客様の中には、「将来、事業目的に書いていなかった事業を開始した場合には、その瞬間に 定款違反になってしまうのではないか?」と心配される方がおられます。
しかし、ご安心ください。以下の理由で、そのような心配はありません。

事業目的の範囲は、ざっくりいうと「損得に関係なく、私が やりたい事業」です。
必ず する事業である必要はありません。
将来 振り返って結果的に しなかったという事業が記載されていても問題ありません。

また、全ての会社の定款の事業目的の記載箇所の最後の行には、
「・・・付随する一切の業務」と必ず書くことが実務上のお約束になっています。
このおかげで、会社設立時の事業と異なる新しい事業を将来に開始した場合でも 既存の事業との間に ほんの少しでも関連性があれば、定款に書いてある事業目的に該当することになります。

実際、最初は1つ、2つ程度しか浮かばないと嘆いていたお客様も、定款の打ち合わせミーテイングで、ご自身の夢や事業への思いを語って頂くと、すぐに軽く10個くらい(!)の事業目的が出てくるものです。
逆に、それらをおさまりの良い数に集約している位です。

ですので、心配せず、起業にあたってのお客様の熱い思いを、素直に語ってください!

具体的には、記載例を眺めながら、
① 開業時点で行う事業、
② 上記①から派生して、将来、新たに開始する可能性が少しでもあると思い浮かぶ事業、
③ 上記①②とは関係ない、夢。
の3つの視点から書き出せばよいです。

以下の3択から選んでください!

❶ 上記①のみが明確にあり、②③は今はハッキリしていない お客様
→上記①を8つ
  ※最終的に5つ前後に調整します。

❷ 上記①②がハッキリしていて、③は今は思い浮かばない お客様
→上記①を8つと、②を2つ
  ※最終的に8つ程度に調整します。

❸ 上記①②③が共にハッキリしている お客様
→上記①を6つと、②を3つと、③を2つ
  ※最終的に8つ程度に調整します。