税理士用)損金計上に係る、会計上の重要性の原則の扱いは?

問題の所在

購読しているメーリングリストにあった記事の備忘メモ。

結論

まとめると、短期前払費用として認められないものは

1、金額的に重要性が乏しいとは言えないもの

2、勘定科目としての重要性があるもの

3、費用収益対応の原則に当てはまる費用

 

理由

以下のメルマガ(全文引用):
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税務調査対策メルマガ Vol.685「短期前払費用と重要性の原則(その2)」

2018年2月16日 金曜日
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金曜日のメルマガは【税理士を対象】として、税理士 見田村元宣が

過去の裁決、判決を中心に是認、否認のポイントを解説していきます。

さて、今回は「短期前払費用と重要性の原則(その2)」ですが、

2つの裁決を取り上げます。

先週金曜日のメルマガで「金額的な観点からの重要性の原則」を

解説しました。

では、重要性の原則とは金額的な観点のみなのでしょうか?

まず、本題の前に国税庁のホームページを確認しましょう。

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国税庁、質疑応答事例(短期前払費用の取扱いについて)

本通達の趣旨について

本通達は、1年以内の短期前払費用について、

収益との厳密な期間対応による繰延経理をすることなく、

その支払時点で損金算入を認めるというものであり、

企業会計上の重要性の原則に基づく経理処理を税務上も認める

というものです。
———————————————————————

「企業会計上の重要性の原則」ということから、

税務調査の前に公認会計士の監査により、

「前払費用として資産計上すべき」という指摘がされる場合がありますし、

実例も知っています。

この点、税理士はあまり考えない部分ですので、注意が必要です。

では、金額的な観点「以外」から重要性の原則が判断された事例です。

〇平成9年3月5日裁決

役員報酬は、役員が株主等からの委任を受けて業務を

遂行する対価であって、時の経過に応じて自動的、合理的に費用化

される支払利息、地代、家賃等の前払費用とは性質を異にすること

及び役員報酬は、企業の利益を生み出す重要な費用であると解されるところ、

企業会計においても重要性が乏しい費用とはいえないことから、

短期の前払費用に当たるとは認められない。

〇平成15年2月20日裁決

本件各役員報酬は請求人の業務を執行したことに対する対価として

本件各給料及び本件各賞与は請求人の指揮命令の下に労務を

提供したことに対する対価として、それぞれ支払われるものであって、

このような人件費は、企業が営利活動を行う上で必要なものであり、

企業活動の根幹に係る行為に対する対価であることからすると、

会計科目としての重要性を有するといえる。

つまり、「勘定科目としての重要性」です。

短期前払費用はあくまでも会計上において重要性の乏しいものを

税務上も認めるというものですので、「そもそも重要性の原則とは?」

という観点が必要です。

ここは金額という観点だけでなく、勘定科目という観点もあるので、

覚えておいてください。

なお、法基通2-2-14の注書きにもありますが、

費用収益対応の原則に関連する費用も短期前払費用の対象外となります。

まとめると、短期前払費用として認められないものは

1、金額的に重要性が乏しいとは言えないもの

2、勘定科目としての重要性があるもの

3、費用収益対応の原則に当てはまる費用

となります。

ご注意ください。

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■ 発行者 プロフィール ■
久保憂希也
元国税調査官
株式会社InspireConsulting代表取締役
1995年 慶應義塾大学経済学部入学
2001年 国税庁入庁 東京国税局配属
飲食店・医療業・士業・芸能人・風俗等の税務調査を担当する。
その他外国人課税事務、確定申告関連事務を担当。
2008年 株式会社InspireConsulting設立、
税務調査のコンサルタントとして活動し、
数千名の税理士に税務調査の正しい対応方法を教えている。
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◇ 責任者名
株式会社 InspireConsulting 久保憂希也
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補足

特記事項なし